2014年7月14日の常陽新聞に掲載されました。
ペンでつながる心のタスキというコーナーです。
「我が家のリフォーム顛末(てんまつ)」
自分で設計をした家ですが、予算の関係で仕様は思うようにならず
「建築家の家とは思えないね。」と言われるほど質素で普通。
昭和55(1980)年に建築、木造2階建の我が家です。
しかし、間取りは気に入っていて、その後、身体障害のあった義父のために
2坪(6.6平方メートル)の増築1回、水回りや内装等プチリフォームを4回、
大規模なリフォームを1回行いましたが、間取りはほとんど変えていないというのが、
ちょっと自慢でした。
平成22(2010)年の春、1階の玄関・ホール・寝室をリフォーム、6回目のリフォームです。
義父母の部屋だった和室を我々夫婦の寝室として使っていましたが、洋室に変更。
床壁天井の下地を構造用合板で固めて、地震がきても寝室だけは潰れないように・・・との
計画でした。
次の年、本当に来てしまった大震災。たしかに、寝室は全くの被害なし。
不安定な置物も倒れませんでしたが、屋根瓦が落ち、外壁にひびが入り、
茫然としてしまいました。
増改築を繰り返して、構造的にバランスが悪いと被害が大きくなります。
知識としては分かっていても、実際に体験をしてしまうと、ショックは大きいものですね。
専門家として恥ずかしい思いをした出来事でした。
(赤木裕子 阿見町、一級建築士)